方向が違うだけで

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小学校、中学校と、私はなぜか、クラスにいるやんちゃな人たちというか、ちょっとイカツイ人たちというか、先生に平気で反抗する人たちというか、そんな感じの同級生たちの近くにいた。
外ではおとなしくて、無口で、いつも怖い顔しているような、しかめ面しているような私を、なぜか彼らはどこか気にかけているような、何かあったら声をかけてくれるような、そんな人たちがいつも近くにいた。
保育園の時から一緒だった人が多かった。親同士も顔見知りだった。それも大きかったのかもしれない。何かいつも彼らに守ってもらっているような、彼らの後ろに隠れているような、そんな学校生活が続いた。

多分、羨ましかったのだと思う。
外でも自分を素直に表現して生きている彼らが。
自分の気持ちに正直な彼らが。
おもいっきり、この世界で遊び回る彼らの姿が。
いつもどこか恐々とした顔で、小さくなってこの世界で生きる私とは真逆の、彼らの生き方が羨ましかったのだと思う。

自分もなにか、なにか表現したくてたまらない……
何かしたくてたまらない。もっと、こんなんじゃなく。
もっとおもいっきり生きたい……
人の目なんか気にせず。

高校で私は地元を離れた。
寮生活する高校へ進学した。
これまで何かと、自分のことを気にかけてくれた人はもういない。
この時私は初めて、これまで感じたことのないような、ひとりぼっちの感覚を、ものすごい寂しさを味わっていた。

ワクワクした思いを抱いて向かったはずの学校。
慣れ親しんだ場所を離れることに一切不安なんてなかった。
新しい環境へのワクワクしかなかった。
多分うまくやっていけるだろうと思っていた。
それなのに、まさか自分がこんな状態になってしまっていることが、とても信じられなかったというか、とても受け入れがたいことだった。

どうしてだったんだろう。
どうして、あれほど強烈な寂しさを味わうことになったのだろう。

自分に合わない環境にいる。
それだけだった。

苦手なことをしている。
好きじゃないことをしている。
それだけだった。

でもただそれだけで、ものすごく寂しい気持ちになっていくのだった。
目に映るものすべてが冷たくて、怖くて、温もりがなくて、自分には到底手に負えないような何かに見えて、ものすごく複雑怪奇なことに思えて、どんどん自分に自信を無くしていくのだった。どんどん小さくなっていく自分がいた。心にぽっかりと穴が空いたような、そんな空虚を、うつうつとした虚無を抱いてフラフラと歩くことになるのだった。いつも何かオドオドしている自分がいるというか、挙動不審というか……ここじゃない気がして、自分はここにいるべきじゃない気がして、全然馴染めなくて、どうしてみんな、そんなに平気なんだろうって、どうしてそんなに楽しそうに笑えるんだろうって思うことになるのだった。

私にとって、学校という場所に通い続けた期間ずっと、そして自分に合わない仕事をやっていた期間も、どちらも同じ気持ちを味わった。同じ精神状態になった。
でも、自分に合わない場所から思い切って離れることが出来たとき、世界が一変した。

自分が得意なこと。なぜか上手くできること。なぜか楽しいこと……
そこへ向かっただけで、世界が一変した。
それを仕事にしただけで、世界がひっくり返った。
自分の中に力が戻ってきた。
自信を取り戻していく自分がいた。
内側から力が、湧き上がってくるのを感じた。
すごいって思った。
世界って、こんなに一変するものなんだって思った。

どの方向に向かうか?
それだけだった。

でも、ただそれだけで、まったく違う世界を、感情を、自分を、見ることになるのだった。まったく違うものを味わうことになるのだった。

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好きなことは、妄想(考えること)と文章を書くこと。

空気の匂いを感じること。

ひとりの時間をこよなく愛する男の子。
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